コンクリート工事②<養生>

出題箇所: 例年、学科IV(施工)の No.10 〜 No.12 付近

出題数: 2〜3問程度(コンクリート工事全体の中で必ず選択肢に含まれる)

  • 湿潤養生を打ち切る基準として、期間(日数)による管理だけでなく、「供試体の圧縮強度」が規定値に達した時点とする判断基準が頻出している。
  • 暑中コンクリート(外気温25℃超)における急激な乾燥を防ぐための散水養生や、寒中コンクリート(初期凍害防止)における保温養生の管理方法が重視されている。
  • 打ち込み直後のコンクリートに対する、振動や歩行による衝撃の禁止期間(一般に1日以上、または圧縮強度1.5N/mm²以上)が狙われやすい。

第1問:湿潤養生の期間とセメントの種類

【問題】
コンクリートの湿潤養生に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートにおいて、日平均気温が15℃以上であったため、計画上の湿潤養生期間(期間による管理)を5日間とした。
  2. 高炉セメントB種を使用したコンクリートは、普通ポルトランドセメントに比べて初期の強度発現が緩やかであるため、湿潤養生期間を長く計画する必要がある。
  3. 早強ポルトランドセメントを使用したコンクリートにおいて、日平均気温が15℃以上の場合、湿潤養生期間(期間による管理)は最短で3日間とすることができる。
  4. 湿潤養生の期間中に、散水が困難な柱や壁の垂直面において、型枠(せき板)をそのまま存置することは、コンクリート表面の乾燥を防ぐための養生として有効である。
  5. 湿潤養生を期間(日数)ではなく「強度」で管理する場合、普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートは、現場封かん養生を行った供試体の圧縮強度が5N/mm²に達すれば、それ以降の湿潤養生を打ち切ることができる。

 【正解】 5

  • 解説: 湿潤養生を「供試体の圧縮強度」を基準にして打ち切る場合、その基準値は10N/mm²以上(JASS 5による規定)です。設問の「5N/mm²」は、型枠(柱・壁・梁側などのせき板)を解体してもよいとされる基準強度、あるいは寒中コンクリートにおける初期凍害防止の基準強度であり、混同を狙った引っかけです。
  • ポイント: セメントの種類による養生日数(普通=5日、高炉B=7日、早強=3日 ※いずれも15℃以上)の数値と、湿潤養生打切り強度「10N/mm²」は必須暗記項目です。

第2問:養生中の温度管理と環境対策

【問題】
コンクリートの養生における温度管理および環境対策に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 打ち込み直後のコンクリートが、日光の直射や風による急激な乾燥(プラスチック収縮ひび割れ)を起こさないよう、速やかに養生シートで覆うなどの対策を行った。
  2. 日平均気温が4℃以下になることが予想される時期の施工(寒中コンクリート)において、初期凍害を防ぐため、コンクリートの圧縮強度が5N/mm²に達するまでは、内部温度が5℃以上になるよう保温養生を行った。
  3. 夏季の炎天下における施工(暑中コンクリート)において、凝結が早く進行してひび割れが発生しやすくなるため、凝結開始前にコンクリート表面に直接、大量の冷水を散水して強制的に冷却した。
  4. 凝結途中のコンクリートにおいて、有害なひび割れや硬化不良を防ぐため、打設後少なくとも1日間は、その上を歩行したり、器具の搬入などの振動・衝撃を与えたりしてはならない。
  5. 大断面の部材(マスコンクリート)において、セメントの水和熱による内部温度の上昇と外部の温度差によって生じる「温度ひび割れ」を抑制するため、表面部を保温して内外の温度差を小さくする養生を行った。

【正解】 3

  • 解説: コンクリートがまだ固まっていない「凝結開始前」や「凝結途中」の段階で、表面に直接水を大量に散水すると、セメントの成分が流出したり、表面の強度が著しく低下したり(セメントペーストの希釈化)します。散水養生は、コンクリート表面が十分に硬化し、水をかけても傷つかない状態になってから行うのが正しい手法です。
  • ポイント: 暑中(散水は硬化後)、寒中(5N/mm²に達するまで5℃以上保持)、マスコンクリート(内外温度差の抑制)といった、季節・部材に応じた養生原則が問われます。
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