出題箇所: 例年、学科IV(施工)の No.7 〜 No.9 付近
出題数:1〜2問程度(鉄筋工事全体の中で必ず大きなウエイトを占める)
・定着(柱・梁への鉄筋の埋め込み)の役割と、フックの有無やコンクリートの設計基準強度(Fc)によって必要な定着長さ(30Dや40Dなど、Dは鉄筋の呼び名)が変化する原則を理解する。
・各種継手(重ね継手、ガス圧接継手、機械式継手など)の適用制限や、応力が集中する場所(柱の中央、梁の端部など)を避けて配置するルールの暗記。
- ガス圧接継手における「圧接部の膨らみの直径(鉄筋径の1.4倍以上)」や「ずれ・偏心(1/5以下など)」の具体的な外観検査数値が頻出している。
- 降雨・降雪時、または強風時のガス圧接作業の原則禁止や、適切な防風対策(シールドの設置)を講じた場合の例外規定が重視されている。
- 異形鉄筋の重ね継手において、フックの有無が定着・継手長さに与える影響や、隣り合う鉄筋の継手位置を同一断面に揃えず「ずらす(千鳥配置)」原則が狙われやすい。
第1問:鉄筋の定着位置と配置の原則
【問題】鉄筋の定着および継手の配置に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 柱の主筋の継手位置は、一般に、曲げモーメントやせん断力などの応力が最も小さくなる柱の中央付近(柱中央部の1/2の範囲)に設けることが望ましい。
- 大梁の引張主筋を柱内に定着させるにあたり、十分な定着長さを確保するため、柱の対面にある側面の型枠の内側まで鉄筋を伸ばし、原則として下方(または上方)に90度折り曲げて定着させた。
- 隣り合う主筋の継手の位置は、構造的な弱点となるのを防ぐため、同一の断面(同じ高さや位置)に揃えて計画した。
- スラブ(床版)の下端筋(引張鉄筋)を小梁に定着させる場合、十分な埋め込み長さ(定着長さ)が確保できれば、鉄筋の先端にフック(かぎ)を設けなくてもよい。
- 壁の縦筋の重ね継手において、鉄筋同士がバラつかないよう、焼きなまし鉄線(結束線)を用いて適切に緊結し、コンクリート打設時に動かないように固定した。
【正解】 3
- 解説: 隣り合う鉄筋の継手位置を同一断面に揃えてしまうと、その部分の断面性能が極端に低下し、構造的な弱点(クラックの原因など)になります。そのため、継手位置は互いに「ずらす(千鳥配置とする)」のが鉄則です。
- ポイント: 継手位置は「応力の小さい場所に設ける」「同一断面に揃えず、相互にずらす」という配置の基本原則を理解しておきましょう。
第2問:ガス圧接継手の施工と環境管理
【問題】鉄筋のガス圧接継手に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ガス圧接作業の途中で降雨があったが、作業効率を最優先させるため、特に遮雨設備を設けずにそのまま圧接作業を継続した。
- ガス圧接の作業を行うにあたり、鉄筋の圧接端面を平滑に処理し、圧接直前に端面とその周辺のサビ、油、泥などの付着物をグラインダー等で完全に取り除いた。
- ガス圧接において、鉄筋の軸線方向の圧力を加えるとともに酸素・アセチレン炎で加熱し、鉄筋の端面同士を溶融(完全にドロドロに溶かすこと)させずに固相状態のまま接合した。
- 圧接完了後の鉄筋の配置において、圧接部が急激に冷却(急冷)されると強度が低下するため、加熱終了後はしばらく自然冷却(空冷)させた。
- 手動ガス圧接において、適切な圧接が行われたかを確認するため、全数について外観検査を行い、不合格となった圧接部は切り取って再圧接することとした。
【正解】 1
- 解説:ガス圧接作業は、天候の影響を強く受けます。降雨、降雪、または強風時には、圧接部が急冷されて焼き入れが入る(もろくなる)などの重大な品質低下を招くため、原則として作業を中止しなければなりません。ただし、作業場所に適切な遮雨・防風設備(キャノピーやシールドなど)を設け、品質に影響がないと確認できる場合に限り継続が認められます。特に何も設けずに継続する記述は不適当です。
- ポイント: ガス圧接の「天候による中止原則」と「接合の仕組み(溶かさずに密着させる固相接合)」の理解が問われます。
第3問:圧接部の外観検査基準(数値管理)
【問題】鉄筋の手動ガス圧接部における外観検査の基準に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 圧接部のふくらみの直径は、鉄筋の呼び名の1.4倍以上であることを確認した。
- 圧接部のふくらみの長さは、鉄筋の呼び名の1.1倍以上であることを確認した。
- 圧接面における2つの鉄筋の軸線の偏心量(ずれ)は、鉄筋の呼び名の1/5(20%)以下であることを確認した。
- 圧接部における鉄筋の軸線の折れ曲がりは、肉眼による観察でほとんど折れ曲がりが認められない程度(2度以下など)であることを確認した。
- 圧接部のふくらみにおいて、過熱による垂れ下がりや著しいへこみ、ひび割れなどの欠陥が肉眼で観察されたが、ふくらみの直径が基準を満たしていたため合格とした。
【正解】 5
- 解説:ガス圧接部の外観検査では、ふくらみのサイズ(直径や長さ)といった寸法数値だけでなく、表面の欠陥の有無も重要な判定基準です。過熱による垂れ下がり、著しいへこみ、有害なひび割れなどが観察された場合は、たとえ直径が基準をクリアしていても「不合格」となります。不合格品は原則として切り取って再圧接しなければなりません。
- ポイント:外観検査の超重要数値「ふくらみ直径:1.4倍以上」「ふくらみ長さ:1.1倍以上」「偏心量:1/5以下」は完璧に暗記しましょう。また、目視による欠陥も見逃さない実務的な視点が問われます。
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