型枠工事

出題箇所: 例年、学科IV(施工)の No.8 〜 No.10 付近

出題数:1〜2問程度(型枠工事単独、またはコンクリート工事の一部として出題)

  • せき板の解体基準において、柱・壁・梁側(垂直面)と、梁底・スラブ底(水平面)の要求される強度の違いが頻出している。
  • 支柱(パイプサポート)の施工ルールとして、高さ調整の方法や、2本以上を継いで使用する場合の緊結方法、および「構造計算を行わない場合の最大設置間隔」が重視されている。
  • コンクリートの側圧(型枠にかかる圧力)の特性として、打込み速度、コンクリートの温度、ヘッド(高さ)が側圧に与える影響が狙われやすい。

第1問:型枠の構成部材と施工

【問題】型枠の組立および構成部材に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. セパレーターは、対向する型枠(せき板)の間隔を一定に保つ(内突張)とともに、コンクリートの側圧による型枠の広がりを防ぐ(外引張)ための両方の役割を持つ金物である。
  2. フォームタイは、型枠の外側に配置する鋼管(金属製パイプ)とセパレーターを緊結し、型枠を締め付けるために使用する金物である。
  3. 柱や壁の型枠において、コンクリートを打ち込む際の「側圧(横方向にかかる圧力)」は、コンクリートの打込み速度が速いほど、また、コンクリートの温度が低いほど大きくなる。
  4. 傾斜があるスラブ(床版)の型枠を支えるパイプサポートにおいて、支柱が滑ったり傾いたりするのを防ぐため、支柱の頭部および脚部を型枠や床面に確実に固定した。
  5. 梁の型枠において、コンクリートの自重による中央部のたわみ(下がり)を防ぐため、梁の設計スパン(長さ)に応じて、あらかじめ中央部をわずかに高くする「あおり(キャンバー)」を設けた。

 【正解】 1

  • 解説:型枠の間隔を一定に保つ(内突張)役割を持つのは「セパレーター」ですが、コンクリートの側圧による広がりを防ぐ(外引張)ために外側から締め付ける役割を持つのは、型枠の外側に設ける「フォームタイ」や「締付けボルト」です。セパレーター単体では外側の引張力を直接受けることはできず、これらを組み合わせて型枠を保持します。
  • ポイント:型枠金物(セパレーター=間隔保持、コーン=止水・セパの端末処理、フォームタイ=外側からの締め付け)の名称と機能の組み合わせは、基本知識として整理が必要です。

第2問:せき板および支柱の取外し(数値管理)

【問題】コンクリートの圧縮強度に基づく、型枠(せき板)および支柱の取外しに関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 柱および壁の垂直な型枠(せき板)は、コンクリートの圧縮強度が5N/mm²以上に達したことが確認できたため、計画通り取り外した。
  2. 梁側(側面)の垂直な型枠(せき板)は、コンクリートの圧縮強度が5N/mm²以上に達したことが確認できたため、梁底の支柱(サポート)を残した状態で取り外した。
  3. スラブ底(床版下)の水平な型枠(せき板)およびその支柱は、現場封かん養生を行った供試体の圧縮強度が、設計基準強度の50%に達したため同時に全て取り外した。
  4. 梁底の水平な型枠(せき板)およびその支柱は、コンクリートの圧縮強度が設計基準強度(Fc)を満たしている(または100%以上に達している)ことを確認して取り外した。
  5. 早強ポルトランドセメントを使用したコンクリートにおいて、日平均気温が15℃以上であったため、柱・壁のせき板を強度試験を行わずに「材齢2日(打設後2日)」で取り外した。

【正解】 3

  • 解説:スラブ底や梁底などの「水平な型枠および支柱」は、コンクリートが上部の荷重(自重や作業荷重)を完全に支えられるようになるまで取り外してはなりません。原則として「圧縮強度が設計基準強度(Fc)に達した時点」、あるいは計算によって安全が確認された場合でも「設計基準強度の85%以上(かつ12N/mm²以上)」に達するまでは解体できません。「50%で同時に全て取り外す」とする記述は著しい強度不足であり、建物の崩壊につながるため不適当です。
  • ポイント: 垂直面(柱・壁・梁側=5N/mm²以上で解体可)と、水平面(床底・梁底=設計基準強度Fcが必要)の解体基準強度の違いは、実務・試験ともに最重要の数値です。

第3問:パイプサポート(支柱)の施工基準

【問題】型枠を支える支柱(パイプサポート)の施工および配置に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. パイプサポートを高さ方向に継いで使用する場合、強度低下を防ぐため、原則として4本以上を継いで使用してはならない。
  2. パイプサポートを2本継いで使用するにあたり、継手部分は4本以上のボルト、または専用の差し込みピンを用いて強固に緊結した。
  3. 高さが3.5mを超える型枠支保工(支柱)を組み立てるにあたり、支柱の揺れや座屈(曲がり)を防ぐため、高さ2m以内ごとに水平方向のつなぎ(水平つなぎ)を2方向に設けた。
  4. パイプサポートを支える土台(敷板・敷角)が、雨水やコンクリートのノロ(セメント成分)によって沈下しないよう、地盤を十分に締め固め、平坦に設置した。
  5. 上下階で連続してコンクリートを打ち込む計画において、上階のコンクリート自重を適切に下階へ逃がすため、上階の支柱の位置を、下階の支柱(サポート)の真上の位置に一致させて配置した。

【正解】 1

  • 解説:労働安全衛生規則等の基準により、パイプサポートを高さ方向に継いで使用する場合、継ぐことができる本数は「3本まで」と制限されています。「4本以上を継いで使用してはならない(=4本はOKという意味になる)」という記述は、法令違反となるため不適当です。
  • ポイント:パイプサポートの継ぎ手制限(3本まで)、水平つなぎの設置基準(高さ3.5m超の場合に2m以内ごと)、上下階の支柱位置の同調など、構造的な安全性を確保するための現場ルールが問われます。
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