出題箇所:例年、学科IV(施工)の No.2 〜 No.3 付近o.15 付近
出題数:1〜2問程度(ネットワーク工程表の計算問題が隔年〜毎年必ず出題)
・バーチャート(各工事の期間を棒グラフで表したもの)とネットワーク工程表(工事の順序を矢印で繋いだもの)のメリット・デメリットを正確に比較する。
・ネットワーク工程表において、全体の工期を決定する「クリティカルパス」を見つけ出し、工期(日数)を算出する計算手順をマスターする。
- 各工程表の「変更に対する強さ(ネットワークは計画変更に伴う影響が把握しやすい)」など、実務的な特徴の対比が頻出している。
- ネットワーク工程表における「ダミー(点線の矢印)」の意味(時間や費用は消費せず、作業の前後関係のみを示す)の理解が重視されている。
- 工期を短縮(工程の割込みや人員追加)する際、クリティカルパス上にある作業を優先して短縮しなければ全体の工期は縮まらないという原則が狙われやすい。
第1問:各種工程表の特徴とメリット
【問題】工事の進捗管理に使用される工程表の特徴に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- バーチャート工程表(横線式工程表)は、各工事の着手時期や完了時期、および全体の進行状況が視覚的にわかりやすいため、工事説明用として優れている。
- バーチャート工程表は、個々の作業(職種)が他の作業とどのように関連しているかという「作業間の相互関係(前後関係)」を明確に示すのには不向きである。
- グラフ式工程表(斜線式工程表)は、主に高層ビルや集合住宅のように、同じ作業が階数ごとに繰り返される「リピートビルディング(繰り返し作業)」の工程管理に適している。
- ネットワーク工程表は、全作業の中で全体の工期に影響を与える「重要な作業(クリティカルパス)」が明確になり、計画変更の際の影響の予測が容易である。
- ネットワーク工程表は、複雑な工事の順序を論理的に表現できるが、バーチャートに比べて各作業の進捗度(どれくらい進んでいるか)を直感的に把握することが容易である。
【正解】 5
- 解説:ネットワーク工程表は、作業の前後関係や重要ルート(クリティカルパス)を把握するのには極めて優れていますが、時間の流れ(カレンダー)と直接リンクしていないことが多いため、「各作業の進捗度を直感的に把握すること」はむしろ苦手(不向き)です。進捗度を直感的に把握しやすいのは「バーチャート工程表」や「出来高管理曲線(バナナ曲線)」です。
- ポイント:各工程表の長所と短所(バーチャート=見やすいが関係性が不明、ネットワーク=関係性はわかるが進捗が見にくい)の入れ替え問題は非常に多いです。
第2問:ネットワーク工程表のルールと基本用語
【問題】ネットワーク工程表の作成ルールおよび基本用語に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ネットワーク工程表における「アクティビティ(実作業)」は実線の矢印(→)で表され、その作業を行うために必要な時間(日数)や労力、費用を消費する。
- ネットワーク工程表における「イベント(結合点)」は○(丸印)で表され、作業の始点や終点(特定の時点)を示し、それ自体は時間や費用を消費しない。
- 「ダミー(擬似作業)」は破線の矢印(—>)で表され、作業の依存関係や前後関係のみを示すものであり、日数(時間)や費用は消費しない。
- 「クリティカルパス」とは、ネットワーク工程表の開始から終了に至る経路(パス)のうち、最も所要日数が「短い」経路のことであり、この経路上の作業には一切の余裕時間がない。
- 「トータルフロート(全余裕時間)」とは、その作業の開始を遅らせても、全体の工期(総所要日数)に影響を与えない最大の余裕時間のことである。
【正解】 4
- 解説:「クリティカルパス」とは、開始から終了までのすべての経路の中で「最も所要日数が【長い】(最大の)経路」を指します。この一番長いルートが、その建物が完成する最短の工期を決定するため、「最も重要(クリティカル)」と呼ばれます。短いとする記述は誤りです。
- ポイント: クリティカルパスの定義(日数が最も長いルート=工期を決めるルート)や、ダミーの性質(時間・費用はゼロ)は言葉の定義として確実に得点すべきポイントです。
第3問:工期短縮とネットワークの管理
【問題】ネットワーク工程表を用いた工期の見直しおよび工程管理に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 当初の計画よりも工期を短縮する必要が生じた場合、クリティカルパス上にある作業(余裕時間がない作業)を優先して短縮しなければ、全体の工期は短縮されない。
- クリティカルパス上にない作業(余裕時間がある作業)の所要日数を短縮しても、全体の工期は1日も短縮されず、単にその作業の余裕時間(フロート)が増えるだけである。
- クリティカルパス上にある特定の作業を大幅に短縮した結果、それまでクリティカルパスではなかった別の経路が「最長経路(新たなクリティカルパス)」に変化することがある。
- ネットワーク工程表の計算において、あるイベント(結合点)に向かって2つ以上の作業が合流する場合、そのイベントの「最早合流時刻(最も早くその点に到達できる時刻)」を求めるには、合流する各経路の計算値のうち「最小の値」を採用する。
- ネットワークの矢印(実線)の上に記載される数字は一般にその作業に必要な「所要日数」を表し、矢印の長さ自体は作業日数の長さに比例させる必要はない。
【正解】 4
- 解説:ネットワーク工程表をスタートからゴールに向かって順方向に計算していく際(最早開始時刻等の計算)、1つのイベントに複数の作業が合流する場合は、合流するすべての作業が「完了」しなければ次の作業に進めません。したがって、計算値のうち「最大の値(最も時間がかかる値)」を採用しなければならないため、最小の値とする記述は不適当です(なお、逆方向に計算する最遅完了時刻の場合は「最小の値」をとります)。
- ポイント:順方向の計算(フォワードパス)は「足し算で【最大値】をとる」、逆方向の計算(バックワードパス)は「引き算で【最小値】をとる」という、計算問題を解く上での基本ルールが問われます。
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