出題箇所:例年、学科IV(施工)の No.2 〜 No.3 付近(工程管理と並んで出題)
出題数:1問程度
・各種統計手法(QC7つ道具)の名称と、それが「何を表すグラフ・図なのか(目的と形)」を正確に一致させる。
・品質管理の基本サイクルである「PDCA(Plan-Do-Check-Act)」の考え方や、現場でのサンプリング(検査用の抜き取り)の原則を理解する。
- 「ヒストグラム(ばらつきの分布)」の形状から、規格値に対して品質が安定しているか(端が切れていないか等)を読み取る問題が頻出している。
- 「管理図(時系列の折れ線グラフ)」において、上方・下方の管理限界線(UCL・LCL)を外れた場合の「異常原因の特定」という実務的な役割が重視されている。
- 項目ごとの件数を大きい順に並べた「パレート図」による、改善すべき最優先課題(全体の8割を占める上位原因)の特定手法が狙われやすい。
第1問:QC7つ道具の特徴と用途
【問題】建築工事の品質管理に用いられる手法に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 「パレート図」は、不具合の発生原因などの項目を件数の多い順に並べた棒グラフと、その累積パーセンテージを表した折れ線グラフを組み合わせたものであり、改善すべき重要項目を特定するのに適している。
- 「ヒストグラム」は、収集したデータの「ばらつき」の度合いや分布の形状を把握するために、データをいくつかの区間に分けて各区間の度数を棒グラフで表したものである。
- 「散布図」は、対応する2つのデータの関係(因果関係や相関関係)を調べるために、縦軸と横軸にそれぞれのデータをとって点をプロット(打点)した図である。
- 「特性要因図」は、結果(特性)とそれに影響を及ぼしていると思われる原因(要因)との関係を、魚の骨のような形状に体系的にまとめた図である。
- 「管理図」は、データの大きさの順に項目を並べ替えた折れ線グラフであり、全体の出来高(進捗状況)が予定に対して遅れているか進んでいるかを判定するのに適している。
【正解】 5
- 解説:「管理図」は、時系列(日付順など)に沿って測定値をプロットした折れ線グラフに、中心線(CL)および上方・下方の管理限界線(UCL・LCL)を入れたものです。これは「工程が安定した状態(管理状態)にあるかどうか」を判定するために用いるものであり、データの大きさ順に並べ替えるものでも、全体の出来高(進捗)を測るものでもありません。
- ポイント:QC7つ道具の各定義の引っかけは非常に多いです。特に「管理図」と「パレート図」のグラフの並び順の定義のすり替えに注意しましょう。
参考サイト:https://os-electric.com/blog/qc7/#qc01
第2問:ヒストグラムと管理図の読み方
【問題】品質管理における図表の解釈および管理基準に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- コンクリートの圧縮強度データから作成したヒストグラムにおいて、分布の形が「左右対称の山形(正規分布に近い形)」を示し、かつ、その裾野が規格値の内側に十分に収まっていたため、品質は安定していると判断した。
- 作成したヒストグラムの形状において、本来あるべき山の片側の裾野が不自然に切り落とされたような「絶壁型」になっていたため、データの一部に選別や手直しなどの作為が入った可能性があると判断した。
- 管理図において、測定されたデータがすべて上方管理限界線(UCL)と下方管理限界線(LCL)の内側に収まっており、かつ、中心線の上下にランダム(規則性なく)に分布していたため、工程は安定状態にあると判断した。
- 管理図において、すべての点が管理限界線の内側に収まってさえいれば、点が連続して上昇し続けたり、中心線の片側だけに連続して並んだり(ラン(連)の発生)していても、工程は正常であると判断してよい。
- 品質管理において、ばらつきの原因には、作業者の体調や材料のわずかな違いなどによる「不可避原因(異常ではないもの)」と、機械の故障や不良材料の混入などによる「異常原因(対策が必要なもの)」の2種類がある。
【正解】 4
- 解説:管理図において、すべての点が管理限界線の内側に収まっていても、点に「異常な並び方の傾向」が見られる場合は、工程に何らかの異常原因が潜んでいると判断します。例えば、点が7点以上連続して中心線の片側に並ぶ(ラン)、点が連続して上昇・下降し続ける(トレンド)などの周期性や偏りが見られた場合は、限界線を越えていなくても直ちに原因を調査しなければなりません。
- ポイント: 「限界線の内側ならすべて安全」というわけではなく、「並び方の異常(パターンの崩れ)」も異常の兆候として捉えるという、管理図の深い読み取りが問われます。
第3問:品質管理の原則とサンプリング
【問題】現場における品質管理の進め方および検査に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 品質管理の基本である「PDCAサイクル」を回すにあたり、品質方針や作業標準を定めることを「P(Plan・計画)」、それに基づいて実際に施工を行うことを「D(Do・実施)」という。
- 施工結果が仕様を満足しているかを測定・確認することを「C(Check・検討・検査)」といい、不具合が発見された場合にその原因を除去して再発防止策を講じることを「A(Act・処置)」という。
- 構造物の安全性を確保するため、現場に搬入されるすべての建築材料や部材については、経済性や工期に関わらず、例外なく全数検査を行わなければならない。
- 抜き取り検査(サンプリング)を行うにあたり、ロット内のすべての製品が均等な確率で選ばれるよう、試験者の主観などの作為を交えずに「無作為(ランダム)」に試料を採取した。
- 品質管理の目的は、単に不良品を検査で弾くだけでなく、作業標準(マニュアル)を整備・遵守することで、施工プロセスの段階から不良品の発生そのものを「造り込まない」ようにすることである。
【正解】 3
- 解説:全ての材料に「全数検査」を行うのは現実的ではありません。例えば、コンクリートの圧縮強度試験や鉄筋の引張試験などは、検査をするとその部材が破壊されてしまう(破壊検査)ため、全数検査は不可能です。そのため、品質管理においては、材料の性質や数量に応じて「全数検査」と「抜き取り検査」を合理的に使い分けるのが原則です。
- ポイント:品質管理の基本サイクル(PDCA)の各ステップの役割と、「全数検査(すべての製品を検査)」と「抜き取り検査(一部を抽出して検査)」の使い分けという、検査の基本原則が問われます。
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