防水工事

出題箇所:例年、学科IV(施工)の No.16 〜 No.18 付近

出題数:1〜2問程度(各工法の仕様や下地処理に関する問題が中心)

  • 施工時の環境条件(気温5℃未満、湿度85%以上、降雨・降雪の恐れがある場合の作業中止)が、どの防水工事にも共通する大原則として頻出している。
  • アスファルト防水における「コンクリート下地の乾燥状態(含水率)」や、塗膜防水における「下地調整(入隅・出隅の処理)」のルールが重視されている。
  • 環境配慮型として採用が増えている「改質アスファルト防水(常温粘着法やトーチ工法)」の特徴や、シート防水の固定方法(接着工法と機械的固定工法)の違いが狙われやすい。

第1問:アスファルト防水工法の施工管理

【問題】屋根のアスファルト防水工事に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 防水層の施工に先立ち、コンクリート下地表面の平坦性を確認し、突起物や付着物を除去するとともに、下地が十分に乾燥(含水率10%以下を目安)していることを確認した。
  2. アスファルトルーフィングの敷込みにあたり、水上(高い方)から水下(低い方)に向かって順次張り進め、ルーフィングの重ね幅は長手・幅方向ともに100mm以上とした。
  3. 防水層の立上り部におけるルーフィングの張付けにおいて、平場(床面)のルーフィングを先に張り付け、その上から立上り部のルーフィングを重ねて張り合わせた。
  4. アスファルトの溶融作業において、アスファルトの劣化(品質低下)を防ぐため、溶融釜内の最高温度が250℃を超えないように温度管理を行った。
  5. 外気温が3℃であり、今後さらに低下する恐れがあったため、アスファルトの粘度上昇や硬化不良による接着欠陥を防ぐために、その日の防水施工を中止した。

 【正解】 2

  • 解説:防水層のルーフィングを張る際は、水の流れに逆らわないように、必ず水下(低い方)から水上(高い方)に向かって順次張り進めます。水上から先に張ってしまうと、上下の重ね目が水の流れに逆らう形(逆ジョイント)になり、隙間から雨水が侵入する原因となるため不適当です。
  • ポイント:「水下から水上へ張る」という原則は、アスファルト防水だけでなくシート防水などすべての防水工事に共通する超定番の引っかけです。重ね幅「100mm以上」や施工中止気温「5℃未満」も必須の数値です。

第2問:各種メンブレン防水工法の特徴

【問題】各種防水工法の特徴および施工に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 改質アスファルト防水の「トーチ工法」は、ルーフィングの裏面にコーティングされたアスファルトを大型のトーチバーナーの炎であぶり、溶かしながら下地に密着させる工法である。
  2. 塩化ビニル樹脂系シート防水の「機械的固定工法(ルーフシステム)」は、シートを下地に接着剤で全面密着させるのではなく、ディスク金物等を用いて下地に部分的に固定する工法であるため、下地の挙動(ひび割れ等)による影響を受けにくい。
  3. ウレタンゴム系塗膜防水は、液状の防水材を現場で塗布して一体的な防水膜を形成する工法であるため、複雑な形状をしたベランダやドレイン(排水口)の周囲などの施工に適している。
  4. 合成ゴム系シート防水において、シート同士の接合部(重ね合わせ部)の処理は、接着剤のみでは長期的な水密性を維持するのが困難であるため、原則として熱風でシート自体を溶融させて接合(熱融着)しなければならない。
  5. 屋根の防水改修工事において、既存の防水層を完全に撤去せずに、その上から新しい防水層を重ねて施工する「かぶせ工法(積層工法)」を採用した。

【正解】 4

  • 解説:加熱による熱融着(溶着)ができるのは「塩化ビニル樹脂系シート」です。設問にある「合成ゴム系シート」は熱をかけても溶けない(熱可塑性がない)ため、熱融着はできません。合成ゴム系シートの接合には、専用の「接着剤」や「接合用テープ」を使用するのが正しい施工方法です。
  • ポイント: シート防水には「合成ゴム系」と「塩化ビニル系」の2種類があり、それぞれの接合方法の違い(ゴム=接着剤、塩ビ=熱融着も可能)が非常によく狙われます。

第3問:下地調整とシーリング・詳細部の処理

【問題】防水工事における下地調整および詳細部の施工に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 塗膜防水の下地調整において、床面(平場)と立ち上がり部が交わる「入隅(いりずみ)」部分は、防水材の塗布厚みが不均一になりやすいため、あらかじめモルタル等で「面取り(丸みや斜面をつけること)」を施した。
  2. 防水層の端部(パラペットなどの立ち上がり上端)からの雨水侵入を防ぐため、防水シートの端部を金属製の押え金物で固定した上で、その上部にシーリング材を充填した。
  3. 外壁のコンクリート伸縮調整目地にシーリング材を充填するにあたり、目地底に接する「2面接着」とすると目地の動きに追従できなくなるため、ボンドブレーカー(絶縁テープ)を配置して「3面接着」とした。
  4. シーリング工事において、2成分形のシーリング材を使用するため、基剤と硬化剤を専用のミキサー(攪拌機)を用いて気泡が混入しないように注意しながら十分に攪拌した。
  5. 塗膜防水の施工において、防水層の厚みを均一に確保し、かつ引張強度を高めるため、1層目の防水材を塗布した直後に「補強布(ガラスクロス等)」を気泡が入らないように埋め込んだ。

【正解】 3

  • 解説:ムーブメント(熱伸縮などによる動き)が大きいコンクリートの伸縮調整目地では、目地底と両側面の3方向にシーリング材がくっついてしまう(3面接着)と、目地が動いたときにシーリング材が破断してしまいます。そのため、目地底にボンドブレーカーやバックアップ材を配置して目地底との接着を防ぎ、両側面のみの「2面接着」とするのが正解です。記述は2面と3面の関係が完全に逆になっています。
  • ポイント:選択肢4の「2成分形は使う直前に混ぜる(1成分形はそのまま使える)」という基本や、シーリングの基本である「ワーキングジョイント(動く目地)は2面接着」という大原則を綺麗に整理しておきましょう。
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