出題箇所:例年、学科IV(施工)の No.5 〜 No.7 付近
出題数:1〜2問程度(RC・鉄骨工事に続いて必ず出題される)
・木材の「含水率(水分量)」と、乾燥に伴う変形(収縮・反り)や強度への影響を正確に理解する。
・柱、梁、土台、足固めなどの各部材の名称と、それらを接合する金物(アンカーボルト、羽子板ボルト、短ざく金物など)の用途を一致させる。
- 構造用木材(集成材や製材)の受入検査における「含水率の基準値(原則として15%〜20%以下)」の数値が頻出している。
- 土台を基礎に固定する「アンカーボルト」の配置ルール(柱の近く、継手の近く、端部からの距離)が重視されている。
- 枠組壁工法(2×4工法)における釘の種類(CN釘など)の使い分けや、打ち込み間隔・方法が狙われやすい。
第1問:木材の性質と受入・保管
【問題】木工事に使用する木材の性質および現場管理に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 構造用製材(人工乾燥材)の受入検査において、木材の変形や強度低下を防ぐため、引渡し時における含水率が20%以下であることを確認した。
- 木材は、大気中の湿度に応じて水分を吸放出する性質(調湿作用)があり、完全に乾燥させた木材であっても、周囲の環境によって一定の含水率(気乾状態)に落ち着く。
- 現場に搬入された構造用木材は、直接地面に接しないように敷木(りん木)の上に置き、雨水や直射日光を避けるために養生シートで覆い、通風を確保して保管した。
- 木材の乾燥による収縮は、方向によって異なり、一般に「接線方向(年輪に沿った方向)」の収縮率が最も小さく、「繊維方向(長さ方向)」の収縮率が最も大きい。
- 柱や梁などの構造用木材に生じる「割れ」や「反り」は、木材の内部と外部の乾燥速度の不均一によって発生するため、乾燥が均一に進んだ集成材はこれらの変形が少ない。
【正解】 4
- 解説:木材の乾燥収縮率は、方向によって大きく異なります。最も収縮しやすい(変形が大きい)のは年輪に沿った「接線方向」であり、最も収縮しにくい(変形が極めて小さい)のが長さ方向である「繊維方向」です。記述は「接線方向が最小、繊維方向が最大」となっており、関係が完全に逆であるため不適当です(収縮率の大きさの順:接線方向 > 半径方向 > 繊維方向)。
- ポイント:木材の収縮方向の特性(長さ方向はほとんど縮まない)と、構造用木材の含水率の基準値(20%以下など)は非常に狙われやすい定番知識です。

第2問:在来軸組工法の接合と金物補強
【問題】木造軸組工法における部材の接合および補強金物の施工に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 基礎と土台を緊結するアンカーボルトは、地震や風圧による土台の浮き上がりを防ぐため、土台の継手(ジョイント)位置を避け、その継手付近の左右に配置した。
- ホールダウン金物(柱脚金物)と緊結するアンカーボルトは、大きな引き抜き力に抵抗する必要があるため、基礎コンクリートへの埋め込み長さを360mm以上とした。
- 大梁と柱の接合部(仕口)において、地震時に梁が柱から抜けるのを防ぐため、ボルトとスクリュー釘を併用する「羽子板(はごいた)金物」を用いて緊結した。
- 木材の乾燥に伴う収縮によって、施工後にボルトやナットに「緩み」が生じることがあるため、上棟後から内装工事の直前までの適切な時期に、すべての構造用ボルトの「増し締め(再締め付け)」を行った。
- 基礎と土台を緊結する通常のアンカーボルト(M12)において、基礎コンクリートへの埋め込み長さ(定着長さ)を短くして施工性を向上させるため、150mmとして計画した。
【正解】 5
- 解説:通常のアンカーボルト(M12など)の基礎コンクリートへの埋め込み長さは、原則として250mm以上(建築工事標準仕様書 JASS 11による規定)必要です。「150mm」ではコンクリートからボルトが引き抜けてしまい、地震の時に土台が外れてしまうため不適当です。
- ポイント: 土台の金物(アンカーボルト=250mm以上、ホールダウン=360mm以上)の数値と、乾燥後の「ボルトの増し締め」という実務的な管理手順が問われます。
第3問:各部材の施工と枠組壁工法(2×4)
【問題】木工事の各種部材の施工および枠組壁工法に関する記述のうち、最も不適当なものは出来か。
- 床下(土台や大引き)の防腐・防蟻(シロアリ対策)処理において、薬剤の塗布・吹付けを行う範囲は、原則として地面(基礎天端)から「1m以内の高さ」にあるすべての木部とした。
- 大引き(床を支える木材)を支える「床束(ゆかつか)」について、乾燥による割れや腐食を防ぐとともに、高さ調整を容易にするため、木製の束に代えて鋼製(またはプラスチック製)のターンバックル式床束を採用した。
- 枠組壁工法(2×4工法)において、耐力壁となる構造用合板を枠組材に打ち付けるにあたり、釘の頭が合板の表面に少しめり込む(めり込み深さ3mm程度)くらいに強く自動釘打機で打ち込んだ。
- 構造用合板を床や壁に張る際、合板が吸湿して膨張したときに隣り合う合板同士が突き上げて盛り上がるのを防ぐため、接合部に「2mm程度の隙間(遊間)」をあけて張り付けた。
- 柱や梁の見える部分(化粧材)の施工において、カンナがけなどの表面仕上げを行うにあたり、手垢やキズによる汚れを防ぐため、施工直前に「養生紙」を巻き、仕上げ後に剥がす処置をとった。
【正解】 3
- 解説:枠組壁工法(2×4工法)や在来工法において、構造用合板を釘留めする際、釘の頭が合板の表面に深くめり込んでしまう(めり込みすぎ)と、合板のパンチングアウト(突き抜け)を起こし、壁としての耐力(せん断耐力)が著しく低下します。そのため、釘の頭は合板の表面と「平ら(面一)」になるように打つのが原則であり、めり込ませる記述は不適当です。
- ポイント:防蟻処理の範囲(地面から1m以内)や、合板の膨張対策(2mm程度の隙間)、そして釘の打ち込み加減(めり込みはNG)といった、現場での施工精度に直結するルールが問われます。
第4問:床および壁の木下地
【問題】木造住宅における床および壁の木下地施工に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 床の剛性を高める「根太(ねだ)」の施工において、根太の掛け渡し間隔は、上に載せる床材(フローリング等)のたわみを防ぐため、一般に303mm(1尺)間隔として計画した。
- 壁のしっくい塗りやボード貼りの下地となる「間柱(まばしら)」は、構造的な荷重(上からの重さ)を負担する部材ではないため、柱よりも断面寸法を小さくした。
- 和室の真壁(柱が見える壁)において、壁の泥下地やボードを固定するための「貫(ぬき)」は、柱に掘った穴に通した後、柱と貫の隙間に「くさび」を打ち込んで強固に固定した。
- 浴室などの湿気が多い室に接する壁の木下地(間柱や胴縁)には、腐食を防止するため、あらかじめJIS規格に適合する防腐処理を施した木材を使用した。
- 洋室の「大壁(柱が壁の中に隠れる壁)」において、仕上げのせっこうボードを貼り付けるための横木である「胴縁(どうぶち)」の配置間隔は、床面から天井面まで一律で600mm間隔とした。
【正解】 5
- 解説:壁のボード下地となる「胴縁(横木)」の配置間隔は、一般に303mm間隔(または455mm間隔)とします。「600mm間隔」では間が空きすぎてしまい、人が壁に寄りかかった際などにせっこうボードがたわんだり、割れたりしてしまうため不適当です。
- ポイント:木工事の下地間隔の基本数値は「303mm(1尺)」または「455mm(1.5尺)」がベースです。これらを外した数値の引っかけに注意しましょう。
第5問:天井木下地の組立
【問題】木造建築物の天井木下地(野縁)の組立に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 天井仕上げ材(ボード等)を直接打ち付けるための「野縁(のぶち)」の配置間隔は、仕上げ材の継手位置を考慮して、一般に303mm間隔とした。
- 野縁を直交する方向から支える「野縁受け(のぶちうけ)」の配置間隔は、天井全体の荷重をバランスよく吊り上げるため、900mm(3尺)程度とした。
- 天井の水平性を確保し、自重によるたわみを防ぐため、上階の梁や屋根の小屋組から野縁受けを吊り下げる「吊木(つりぎ)」は、900mm〜1,200mm程度の間隔で均等に配置した。
- 吊木の上部は、構造部材である梁や桁にしっかりと釘留め(またはボルト留め)し、下部は野縁受けに緊結した。
- 天井の懐(ふところ)が非常に深く、吊木の長さが3mを超える大空間であったが、吊木自体の引張強度は高いため、特に振れ止め(横揺れ防止の斜材)を設けずにそのまま施工した。
【正解】 5
- 解説:天井の懐が深く、吊木の長さが長くなる場合(一般に1.5m〜2mを超える場合)、地震時の揺れや自重によって吊木が変形したり座屈したりするのを防ぐため、必ず「振れ止め(縦・横・ななめの補強材)」を設けなければなりません。補強を行わないとする記述は不適当です。
- ポイント:天井下地の構成(野縁=303mm、野縁受け=900mm、吊木=900〜1,200mm)の数値と、大空間における「振れ止め」の必要性が問われます。
第6問:枠組壁工法(2×4)の釘の施工
【問題】枠組壁工法(2×4工法)における釘の施工および管理に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 枠組壁工法に使用する釘は、在来軸組工法で使われる一般的な丸釘(N釘)と区別するため、太さや長さが異なり、JIS規格で色分け(平頭部に着色)された「枠組壁工法用太め鉄丸釘(CN釘)」を使用した。
- 構造耐力上重要な床版(床の合板)を枠組材(根太)に留め付けるにあたり、釘のピッチ(間隔)は、外周部を100mm間隔、中間部を200mm間隔として打ち込んだ。
- 釘を打ち込む際、枠組材の端部に近すぎると木材が割れて保持力が激減するため、釘の直径の最低でも5倍以上の縁空き(端部からの距離)を確保した。
- 構造用合板に釘を打ち付ける際、打ち損じて曲がった釘や、斜めに飛び出してしまった釘(効き不良)があったが、全体の釘の本数が足りていたため、そのまま抜かずに残した。
- 帯金物やプレートなどの補強金物を枠組材に留め付けるための釘は、金物の穴径に適合し、かつ指定された専用の釘(太めミニ釘など)をすべての穴に隙間なく打ち込んだ。
【正解】 4
- 解説:打ち損じて曲がった釘や、斜めに外れて木材を貫通していない釘は、構造的な耐力を全く発揮していません。これらを放置することは施工不良となるため、必ず引き抜いた上で、すぐ横の正しい位置に新しく釘を打ち直さなければなりません。本数が足りていればOKという記述は不適当です。
- ポイント:2×4工法といえば「CN釘(太め鉄丸釘)」の採用、および耐力壁や床合板の「釘ピッチ(外周部100mm・中間部200mm)」という数値、そして不具合時の手直し原則が狙われます。
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