出題箇所: 学科I(建築計画)の各建物ジャンル(No.11〜No.22付近)の選択肢として必ず含まれる
出題数:2〜3問程度(各施設の計画問題の中に組み込まれる形式)
住宅: パブリック(家族・来客)とプライベート(個人の就寝・排泄)の分離、および日照条件に応じた配置が基本となります。
学校: 「学習(教室)」「生活(給食・保健)」「管理(職員)」「地域開放(体育館等)」の4つのゾーンの適切な分離と連携が重要です。
病院: 「外来」「診療(検査・手術)」「病棟」「管理・供給」のゾーニングにおいて、衛生度(クリーン度)に応じた階層的な区分が求められます。
- 住宅では、在宅ワークの普及に伴う「ワークスペース」と「生活空間」のバッファー(緩衝)ゾーンの計画が重視されている。
- 学校では、夜間や休日の「地域開放ゾーン」を設定し、開放時でも一般教室エリアに部外者が立ち入れないようなセキュリティ区画が頻出している。
- 病院では、院内感染対策として「発熱外来(感染症陰圧室)」などを一般外来ゾーンから物理的に隔離・独立させるゾーニングが強く意識されている。宅ワークの普及に伴う「ワークスペース」と「生活空間」のバッファー(緩衝)ゾーンの計画が重視されている。
第1問:住宅のゾーニング(戸建・集合住宅)
【問題】
住宅のゾーニングに関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 敷地が道路に面する南側に庭を設けるにあたり、居間や食事室などのパブリック空間を南側に配置し、浴室やユーティリティなどのサービス空間は北側にまとめて配置した。
- テレワークを行うための書斎(ワークスペース)は、web会議時の生活音の遮断や集中環境を確保するため、子供室や居間などの賑やかな空間から離れた位置にゾーニングした。
- 2世帯住宅の計画において、各世帯の独立性を高めるため、親世帯の寝室の真上の階(2階)に、子世帯の子供室やリビングなどの振動や音が響きやすい空間を配置した。
- コートハウス(中庭型住宅)において、中庭を挟んでパブリックゾーンとプライベートゾーンを対面させる配置は、視覚的なつながりを持たせつつ、空間を緩やかに分ける手法として有効である。
- 集合住宅の住戸内計画において、玄関付近に洗面室や浴室などの水回りゾーンを集約して配置することは、個室(寝室)のプライバシーを高めるゾーニングとして有効である。
【正解】 3
- 解説: 上下階のゾーニング(立体的なゾーニング)において、音が響きやすい空間(子供室やリビング)の真下に、静穏性が求められる空間(就寝用の寝室)を配置することは、騒音トラブルの原因となるため不適当です。
- ポイント: 住宅のゾーニングは、平面的な位置関係だけでなく、上下階の「音・振動の伝わり方(遮音配慮)」も頻出の引っかけポイントです。
第2問:学校のゾーニング(小・中学校)空気環境
【問題】
学校(小学校・中学校)のゾーニングに関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 体育館や図書室を地域住民に夜間開放するため、これらの施設を「地域開放ゾーン」として校舎の端部や独立した棟に配置し、一般教室エリアとはシャッター等で区画できるようにした。
- 管理ゾーンである職員室や校長室は、児童・生徒の日常的な相談や出入りを容易にするため、普通教室ゾーンの近くに隣接させて一体的に配置することが望ましい。
- 学年ごとにまとまりを持たせる「学年センター方式」において、各学年の普通教室群の近くに、それぞれ専用のワークスペースや洗面・便所などの生活ゾーンを近接して配置した。
- 特別教室ゾーン(理科室や音楽室など)は、実験時の臭気や楽器の音が普通教室での授業の妨げにならないよう、普通教室ゾーンから適切な距離を離すか、別棟・別階に配置した。
- 学校給食を自校で調理する方式において、給食室(調理部門)は、衛生管理(HACCP)の観点から、食材の搬入経路(サービス動線)に直結した独立性の高いゾーンとして配置した。
【正解】 2
- 解説: 職員室などの管理ゾーンは、学校全体の「防犯・安全管理の拠点」としての性格を持つため、昇降口(玄関)や校庭、主要な動線を見渡せる位置に配置するのが適切です。普通教室の中に埋もれるように一体化させてしまうと、外部からの不審者の侵入などに気づきにくくなるため不適当です。
- ポイント: 学校の計画では「管理部門の位置づけ(見通しの良さ)」と「地域開放時のセキュリティ境界」が2大重要項目です。
第3問:病院のゾーニング
【問題】
病院のゾーニングに関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 外来部門は、不特定多数の患者が短時間に多く訪れるため、建物の低層階(1階や2階)に配置し、メインエントランスから直接アクセスしやすいゾーニングとした。
- 病棟部門(入院施設)は、患者の療養環境(静穏性、日照、眺望)を最優先するため、一般に建物の高層階や、外来の喧騒から離れた静かなエリアに配置する。
- 中央診療部門(手術室、放射線部、検査部など)は、外来患者と入院患者の両方が利用するため、外来部門と病棟部門のどちらからもアプローチしやすい中間の位置にゾーニングした。
- 手術部門のゾーニングにおいて、高度な清浄度が求められる手術室エリア(清潔区)と、スタッフの更衣室や機材の搬入口(準清潔・一般区)は、境界を設けずに一体の空間として計画した。
- 供給部門(厨房、中央材料室、ボイラー室など)は、物資の搬入や廃棄物の搬出が頻繁に行われるため、一般の患者が立ち入るエリアから隔離し、サービス専用の出入口に近接して配置した。
【正解】 4
- 解説:手術部門などの医療施設では、衛生レベル(清浄度)に応じた厳密なゾーニングが不可欠です。高度な清潔さが求められる手術室エリアと、外部の人間や機材が最初に出入りする一般エリアの境界には、必ず「更衣室」や「前室(エアロック)」などの緩衝空間(バッファー)を設け、明確に区分しなければならないため、一体の空間とする記述は不適当です。
- ポイント: 病院のゾーニングは、利用者の利便性だけでなく「院内感染を防ぐためのクリーン度の管理(ゾーンの段階的区分)」が最も強く問われます。
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