コンクリート工事①<スランプについて>

出題箇所: コンクリート工事(スランプ)の出題傾向

出題数: 2〜3問程度(コンクリート工事全体の中で必ず選択肢に含まれる)

  • 構造体の種類(一般の建築物か、普通コンクリートか高強度コンクリートか)に応じた指定スランプ値の使い分けが頻出している。
  • スランプの試験値が外れた場合の「現場での加水(水を足すこと)の禁止」など、現場管理の原則が重視されている。
  • 輸送時間(練り混ぜから打ち込み終了まで)の経過に伴うスランプ低下への対策や、外気温(25℃を境界とする時間制限)との連動が狙われやすい。

第1問:スランプの基準値と試験

【問題】
レディーミクストコンクリートの受入検査およびスランプに関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 荷卸し地点におけるコンクリートのスランプ試験は、スランプコーン(高さ30cm)を静かに引き上げたときに、コンクリートの頂部が下がった量を測定するものである。
  2. 普通コンクリートにおいて、購入者が指定するスランプの標準値が18cmの場合、その許容差は±2.5cmと定められている。
  3. 高強度コンクリートにおいて、材料の流動性が非常に高くスランプ試験では測定できない場合、コンクリートが広がった直径を測定する「スランプフロー試験」を適用する。
  4. 現場に到着したコンクリートの受入検査において、スランプ値が指定された許容範囲を下回って硬すぎたため、ワーカビリティー(施工性の良さ)を改善するために現場で加水して調整した。
  5. スランプは、コンクリートの凝結(固まり始め)が進むにつれて徐々に低下するため、練り混ぜから打ち込み終了までの時間を適切に管理する必要がある。

 【正解】 4

  • 解説: 現場でのコンクリートへの加水(水を足すこと)は、水セメント比が増大して強度や耐久性が著しく低下するため、いかなる理由があっても絶対に禁止されています。スランプが不足している場合は、高性能AE減水剤等の流動化剤をあらかじめ工場で添加した「流動化コンクリート」とするなどの対策が必要です。
  • ポイント: 「現場での加水禁止」は実務・試験ともに鉄則です。また、スランプ18cmの許容差が「±2.5cm」であるという数値も定番の出題です。

第2問:構造体に応じたスランプの計画

【問題】
コンクリートの調合計画およびスランプの選定に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 普通コンクリートを使用する一般的な鉄筋コンクリート造の建築物において、設計で特に指定がない場合、調合におけるスランプの標準値は15cmまたは18cmとする。
  2. 断面寸法が大きく、鉄筋の配置がそれほど密でない大断面の基礎コンクリートにおいて、材料分離を抑え収縮を低減するため、スランプの標準値を12cmとして計画した。
  3. コンクリートは、一般にスランプの数値を小さくする(硬くする)ほど、単位水量(水の使用量)を減らすことができるため、乾燥収縮によるひび割れの抑制に有利である。
  4. 鉄筋が非常に過密に配置された壁や柱の配筋部において、コンクリートの充填性を高めるため、調合管理強度を変更せずにスランプの標準値を21cmを超えて高く設定した。
  5. 軽量コンクリートを使用する場合、骨材(人工軽量骨材)が水分を吸収しやすい特性があるため、普通コンクリートよりもスランプの経時変化による低下が大きくなりやすい。

【正解】 4

  • 解説: 普通コンクリートにおいて、スランプを大きくする(柔らかくする)と、必要な強度を保つためにセメント量も増やす必要があり、乾燥収縮やひび割れのリスクが高まります。そのため、JASS 5における普通コンクリートのスランプの上限(標準値)は原則として18cm(特記がある場合でも21cm)までとされています。これを超える高いスランプを安易に設定することは不適当であり、充填性を高めたい場合は高強度コンクリートや高流動コンクリートを選定すべきです。
  • ポイント: 一般的な建築物におけるスランプの基本値は「15cmまたは18cm」であり、それより硬くする場合(基礎など=12cm)の使い分けが問われます。

第3問:環境条件とスランプの管理

【問題】
コンクリートの施工管理およびスランプの変動に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. コンクリートの練り混ぜから打ち込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃未満の場合は120分以内、25℃以上の場合は90分以内とされている。
  2. 夏季の炎天下における施工(暑中コンクリート)では、コンクリートの温度上昇に伴って水分の蒸発や凝結が促進されるため、冬期に比べてスランプの低下が早くなる。
  3. 工場から現場への運搬時間が長くなる場合、運搬中のスランプ低下を見込んで、受入検査時のスランプが指定値内に収まるように工場出荷時のスランプをあらかじめ高く調整して出荷してもらった。
  4. アジテータトラック(ミキサー車)で運搬中のコンクリートは、ドラムを回転させて常に攪拌(かくはん)し続けることで、材料分離やスランプの急激な低下を防ぐことができる。
  5. 現場での受入検査におけるスランプ試験において、1回目の測定値が許容差を超えたため、同じアジテータトラックの同じロットから再度試料を採取して再試験を行い、その結果で合否を判定した。

【正解】 3

  • 解説:レディーミクストコンクリートの品質は「荷卸し地点(現場での受入時)」で規定の品質(指定スランプ)を満足していなければなりません。工場側で「出荷時だけ勝手に高く調整する」といった行為は、品質の不均一を招くため認められず不適当です。運搬時間による低下が懸念される場合は、調合そのものを見直すか、現場で流動化剤を添加するなどの処置をとります。
  • ポイント: スランプはあくまで「現場の荷卸し地点」での数値が基準であること、そして外気温による時間制限(25℃を境に90分/120分)は、スランプ管理とセットで覚えるべき超重要数値です。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次