学科I(計画): 毎年 2問 (日本建築史1問、西洋建築史1問)が出題されています。
日本建築史: 住宅様式の変遷(寝殿造、書院造、数寄屋造)や、有名な神社仏閣(伊勢神宮、東大寺など)の構造・特徴が中心です。最近は「近代建築(明治〜昭和初期)」の作品名と設計者の組み合わせも頻出しています。
第1問:日本建築史(計画:頻出)
【問題】
日本建築史の遺構とその特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 伊勢神宮正殿(三重県)は、掘立柱、切妻造、平入りであり、日本最古の神社建築様式の一つである唯一神明造の代表例である。
- 桂離宮(京都府)は、書院造に茶室風の意匠を取り入れた、初期の数寄屋造の代表的な遺構である。
- 東大寺南大門(奈良県)は、鎌倉時代に中国から伝わった大仏様(天竺様)を採用しており、貫(ぬき)を多用した力強い構造が特徴である。
- 旧グラバー住宅(長崎県)は、現存する日本最古の木造洋風建築であり、ベランダや上げ下げ窓などの特徴を持つ。
- 代々木競技場(東京都)を設計した丹下健三は、伝統的な数寄屋造の意匠をそのまま鉄筋コンクリートで再現し、日本独自のモダニズムを確立した。
【正解】 5
- 解説: 丹下健三の「代々木競技場」は、伝統的な意匠をそのまま再現したものではなく、「吊り屋根構造」という当時最先端の技術を用い、日本の伝統的な大屋根のダイナミズムを現代建築として表現したものです。
- ポイント: 日本建築史は「様式名(寝殿造、書院造など)」と「代表遺構(桂離宮、慈照寺銀閣など)」をセットで覚えるのが鉄則です。
第2問:日本建築史 住宅様式の変異(計画)
【問題】
日本住宅史の各様式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 寝殿造は、平安時代の貴族の住宅様式であり、中央の寝殿を対の屋(たいのや)でつなぎ、庭園に面した開放的な造りが特徴である。
- 書院造は、中世末期から近世にかけて成立した武家屋敷の様式であり、床の間、棚、付書院、畳敷きなどの要素を備えている。
- 慈照寺銀閣(京都府)の1階(東求堂同仁斎など)は、初期の書院造の遺構として知られ、四畳半の茶室の原型とも言われる。
- 数寄屋造は、書院造を基本としながらも、茶室の意匠を取り入れ、竹や面皮(めんかわ)付きの柱などを用いた自由で軽快な造りが特徴である。
- 主殿造(しゅでんづくり)は、江戸時代に確立した農家住宅の代表的な様式であり、広い土間と「田の字型」の部屋配置を特徴とする。
【正解】 5
- 解説: 主殿造は、室町時代から戦国時代にかけての武家住宅の様式(寝殿造から書院造への過渡期)を指します。記述にある「広い土間と田の字型」は、一般的な民家(農家・町家)の特徴です。
- ポイント: 日本住宅史は、寝殿造(平安)→主殿造(室町)→書院造(桃山)→数寄屋造(江戸)という流れを整理しておくことが不可欠です。
西洋建築史: 古代ギリシャ・ローマから近代(モダニズム)まで幅広く出題されます。特に「各様式の代表的建築物(パルテノン、サヴォア邸など)」と、「近代建築の巨匠(ル・コルビュジエ、ミースなど)」の代表作が狙われます。
第1問:西洋建築史 <近代建築の巨匠>(計画)
【問題】
西洋建築史の建築物または様式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- パルテノン神殿(ギリシャ)は、古代ギリシャのドーリア式建築の最高傑作であり、柱のふくらみ(エンタシス)などの視覚的補正が施されている。
- サント・シャペル(フランス)に代表されるゴシック建築は、尖頭アーチやフライング・バットレスを用いることで、壁を薄くし、大きなステンドグラスを設けることを可能にした。
- サヴォア邸(フランス)を設計したル・コルビュジエは、ピロティ、屋上庭園、自由な平面、横長窓、自由な立面からなる「近代建築の五原則」を提唱した。
- バルセロナ・パビリオン(スペイン)を設計したミース・ファン・デル・ローエは、鉄とガラスを用いた「ユニバーサル・スペース」の概念を提示した。
- フランク・ロイド・ライトが設計した「ファンズワース邸」は、全面ガラス張りのワンルームの構成であり、ミッドセンチュリーデザインの代表作である。
【正解】 5
- 解説: ファンズワース邸を設計したのは「ミース・ファン・デル・ローエ」です。フランク・ロイド・ライトの代表作は「落水荘」や「グッゲンハイム美術館」などです。
- ポイント: 西洋建築史では、「コルビュジエ(サヴォア邸)」「ミース(ファンズワース邸)」「ライト(落水荘)」の3大巨匠の入れ替え問題が頻出です。
第2問:各時代の様式と代表作
【問題】
西洋建築史の各様式と建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- サン・ピエトロ大聖堂(イタリア)は、ルネサンスからバロック期にかけて造営され、ミケランジェロなどが設計に携わった。
- ノートルダム大聖堂(パリ)に代表されるゴシック建築は、垂直性を強調し、リブ・ヴォールトや尖頭アーチを用いることで高い天井を実現した。
- ヴィラ・ロトンダ(イタリア)を設計したパラディオは、古代ローマの建築を研究し、対称性の強い古典主義的な建築様式を確立した。
- ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ)は、ビザンチン建築の最高傑作とされ、巨大な円形ドームをペンデンティブという手法で支えている。
- ロンシャンの礼拝堂(フランス)を設計したミース・ファン・デル・ローエは、曲面を用いた彫刻的な造形により、宗教的空間を表現した。
【正解】 5
- 解説: ロンシャンの礼拝堂を設計したのは「ル・コルビュジエ」です。ミース・ファン・デル・ローエは「直線・鉄・ガラス」の幾何学的なデザインが特徴ですが、コルビュジエは晩年、この作品のように有機的で彫刻的な表現を行いました。
- ポイント: 西洋建築史では、「ハギア・ソフィア(ビザンチン)」や「サン・ピエトロ(ルネサンス・バロック)」といった超有名建築の様式名と、近代巨匠(ミースとコルビュジエ)の作風の違いがよく問われます。
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