出題箇所: 例年、学科I(建築計画)の No.11 〜 No.15 付近(戸建住宅・集合住宅の計画内)
出題数: 1〜2問程度
家事動線の短縮と回遊性の確保、およびパブリックとプライベートのゾーニングの明確化が基本となります。加齢や身体的障害に伴うバリアフリー設計(通路幅、段差、手すり)の数値的な基準も重要視されています。
- 家事動線を短くするための「キッチン・洗面室・浴室」の近接配置や、回遊性のある動線計画。
- パブリック(居間等)とプライベート(個室等)の明確な分離(ゾーニング)と、動線の交差の回避。
- 高齢者や車いす利用者に配慮した通路幅、段差の解消、および動作空間の確保。
第1問:住宅の平面計画と動線
【問題】
戸建住宅の動線計画に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 家事の効率を高めるため、キッチン、ユーティリティ、浴室などの水回りを近接して配置し、家事動線を短く計画した。
- 玄関からキッチンへ直接出入りできる動線を設けることは、買い物帰りの荷物の運び入れなどの利便性を向上させるのに有効である。
- 高齢者が居住する住宅において、深夜の寝室から便所への動線は、できるだけ短く、かつ、単純な経路となるように計画した。
- 居間を他の室への通路(通り抜け動線)として利用する計画は、家族のコミュニケーションを促進する一方で、居間の落ち着きを損なう要因となる。
- 車いす利用者が使用する廊下の有効幅員は、介助者が横に並んで歩行することを考慮し、一般に750mm程度とした。
【正解】 5
- 解説: 車いす利用者が通行する廊下の有効幅員は、自走の場合で最低でも850mm〜900mm程度、介助者と並んだり回転したりすることを考慮するとさらに広い幅員が必要です。750mmは一般的な住宅の廊下幅よりも狭く、不適当です。
- ポイント: 「家事動線の短縮」と「高齢者・車いす配慮の数値」はセットで覚えるのが定石です。
第2問:ゾーニングと動線の分離換気量と室内空気環境
【問題】
住宅のゾーニングおよび動線計画に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 2階建て住宅において、1階にパブリックゾーン(居間・食事室等)、2階にプライベートゾーン(寝室等)を配置することは、生活の独立性を高める一般的な手法である。
- 玄関から客間へ至る客用動線と、キッチンからサービスバルコニーへ至る家事動線は、互いに交差するように計画することが望ましい。
- 集合住宅の計画において、各住戸の玄関を共用廊下に面して配置する場合、玄関扉を開けた際に廊下を通行する人の妨げにならないよう、扉をアルコーブ内に設置する。
- 洗面室に2か所の出入口を設け、キッチンと廊下の両方から出入りできる回遊動線とすることは、家事効率の向上に有効である。
- 寝室の近くに便所を配置する計画は、高齢者だけでなく、夜間の利便性を求める全ての居住者にとって有効な動線計画である。
【正解】 2
- 解説: 性質の異なる動線(この場合は「来客」と「家事」)は、互いに干渉しないよう「分離」して計画するのが基本です。交差するように計画することは、プライバシーや効率の面から不適当です。
- ポイント: 動線の「交差」は基本的に避けるべき事項であり、選択肢で「交差させる」とあれば誤りの可能性が高いです。
第3問:集合住宅とバリアフリー動線
【問題】
集合住宅およびバリアフリー住宅の動線計画に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 車いす利用者が利用するキッチンにおいて、流し台の下部をオープンにすることは、車いすのフットレストが入るスペースを確保するのに有効である。
- 床の段差を解消するために設けるスロープの勾配は、屋内においては、一般に1/12以下とすることが望ましい。
- 2世帯住宅において、親世帯と子世帯のプライバシーを確保するため、共用部分を玄関のみとし、それぞれの居住空間への動線を明確に分けた。
- 住宅内の通路において、曲がり角がある場合は、車いすが曲がりきれるよう、隅角部を面取りしたり幅員を広げたりする配慮が必要である。
- 視覚障害者への配慮として、住宅内の動線上の段差には、必ずしも手すりを設ける必要はなく、床の仕上げ材を同一にすることが望ましい。
【正解】 5
- 解説:視覚障害者や高齢者にとって、段差やその付近に手すりを設けることは安全確保のために重要です。また、床の仕上げを同一にすると段差の判別が困難になるため、色やテクスチャを変えて注意を促す(視認性を高める)のが適切な配慮です。
- ポイント: バリアフリーの基本は「物理的な解消(段差なし)」と「情報の提供(手すりや色の変化)」の両立です。
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